初音湯写真展 Thank you so much Hatsune-yu, for a long time. Photo by Nipporini 始まります。

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定休日の今日は、明日から始まる初音湯写真展 "Thank you so much Hatsune-yu, for a long time. Photo by Nipporini " のために、NIPPORINI こと和田高広さんと作品の搬入、設置をしました。惜しまれながら去る11月21日をもって80年の歴史に幕を降ろした谷中の銭湯、初音湯。最後まで誠実で温かく、しかも凛として美しかった初音湯に感謝の気持ちをこめて、明日12月16日(木)〜1月16日(日)までの1ヶ月間、古書信天翁店内にて初音湯写真展を開催いたします。初日の明日は、夕方18時よりオープニングレセプションを行います。初音湯愛ひいては銭湯談義に花を咲かそう、ちょっとそこまで風呂帰りにふらりと、あるいは、銭湯にはなじみがない、どんなところかな?という方も、どなたでもお気軽にお立ち寄りくだされば幸いです。

私にとってこの季節の初音湯のなによりの思い出といえば、男湯の脱衣所から聞こえて来るおじいさんの「きよしこの夜」です。生真面目に調子っぱずれて、くり返しくり返し歌うのが、女湯の脱衣所にいて聞こえるのです、毎年。それは可笑しく哀しく、でもやっぱり可笑しくうれしくて、聞こえた日にはうちに帰ってあほう♂と「歌っていたよ。」とか、聞こえなかった日には「今日はいなかったのか。」などと報告しあう。この数年は秘かにおじいさんを「きよしさん」と心の中で呼んでいた。今頃、どこかよその銭湯で邪険にされたりせずに、気持ちよく歌っているのならいいなぁ、と切に思う。銭湯は初音湯だけではないとわかっている。今も現役で稼動し、風呂なし生活人の大事な下支えをしてくれている町の銭湯はほかにもたくさんあるのだ。私たちはそういったお風呂屋さんにこれからも通う。でも、あの畳張りの腰掛けにゆるりとしながら聴くともなしに聞こえて来るおじいさんの「きよしこの夜」、「ほーーしはーーーー」の「ほ」で完全に声が裏返り、音程を失う、あの「きよしこの夜」はもうないのだなぁ、と思うと、不意にさびしさがこみあげる。
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by books_albatross | 2010-12-16 01:40