井上理津子さんの取材で改めて気合いが入ったことですね。2013年、がんばらねば。

 去る12月28日付の日刊ゲンダイ「本屋はワンダーランドだ!」(毎週金曜日紙面に連載中)にて、信天翁を紹介してもらいました。執筆はライターの井上理津子さん。話題の夏葉社新刊『冬の本』に、「厳寒の地での不条理な関係に引き込まれる」という一文を寄せている方でもあります。
 先日取材を受けた際には、なんて心のこもった仕事をなさる方だろうという印象を受けました。こちらの話を会話の流れから上手に引き出すし、何より印象深かったのは、本棚の背表紙を隅から隅まで熱心にご覧になる姿でした。掲載用写真の撮影も終えてカメラマンさんが帰った後もひとり残って、頻繁に素早くメモを採りながら、取材時間の半分くらいは棚を見ることに費やしていたのかも知れません。これまでの経験からは、初めてと思えるほどの時間のかけ方でした。
 数少ない経験ではありますが、一般的にこうした取材は、店主の話を聞いて店内の写真を撮って店のおすすめを聞いて、という感じなんだと思います。そして、店の案内記事というものは、本来それらをまとめることで充分だと考えます。しかしながら今回の場合は、いつもと違う緊張感を覚えるのでした。
 理由としては、ひとつに掲載されるまでこちらが原稿に目を通す機会がないという申出を了承したことがあります。これは日刊紙という媒体である以上仕方のないことと思い承諾しました。とはいえ、やはり気になります。もうひとつに、あれだけ長い時間をかけてじっくりと本棚を覘いていかれたわけです。このことこそがそもそもの緊張の根底にあることを、はっきりと認識しています。
 はたして、うちの本棚は、何かしらを物語ることができたのでしょうか。
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※ 写真に写った連中がずいぶんと着ぶくれしていますが、そんなに寒い店なのか、ということではなく、特に左の男はこの日「わめぞ」の忘年会でしこたま紹興酒を飲んで楽しんだ翌日で、宿酔いから来る悪寒で一日中がたがた震えている有様なのでした。酒臭いし。





 井上さんのお話でひとつ興味深いことがありました。それは取材を重ねる中で、古本屋の店主というものには、よく喋る方と寡黙な方と、両極端に分かれる傾向があるという話です。うちがどちらに分類されるのかは定かではありませんが、彼女の仕事を垣間みるにつけ、古本屋というものは、その嗜好や傾向や背景は、いずれにせよ棚がすでに語り尽くしているのだ、ということにあらためて気づかされるものでした。今後も棚づくりに精進を、とこちらが刺激を受ける取材でもありました。


 さて、この井上理津子さん連載の「本屋はワンダーランドだ!」が、このほど一冊にまとめられて宝島社より出版される運びとなったそうです。文庫本としてタイトルも変わって出るようなのですが、詳細がわかり次第またご案内できればと思います。発売日が2月6日、これだけは記憶しています。本当に楽しみなことです。

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by books_albatross | 2013-01-07 20:59 | あほう♂