近代映画 '66 2月臨時増刊 西郷輝彦 ほか

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ある観光地に、ひどく貧しい古本屋夫婦が住んでいました。ゴールデンウィークの稼ぎ時であっても、深圳に麻婆を食べに行くことすらできない状況でした。そこで古本屋は、均一本を売りに路面に縁台を出して並べましたが、本はたいして売れませんでした。「今日の商売もこのへんかな。」と古本屋が腰をあげたとき、近くのベンチに座っていた地蔵が、路上に突然ゲロを噴き出しました。ドポドポドポという爽快な音が響き渡り観光客がみな逃げ惑う阿鼻叫喚のなか、古本屋は店にかけあがると、ゴミ袋とトイレットペーパー3本を持って戻り地蔵に渡しました。しかし、それでもゲロは片づかず、そこで古本屋は、今トイレで使っている最後の1本も差し出しました。そうして地蔵にゲロを片づけてもらうと、バケツに水を汲んできて流し、最後にはあたり一面にファブリースを噴いて、古本屋は店へ帰りました。古本屋からわけを聞いたK5号は、「それは良いことをした。」と言って、古本が売れなかったことを責めませんでした。
翌週、GWも明けたよく晴れた平日のある日、いつものように古本屋がお客のいない路面に均一本を並べていると、例のベンチに古い「近代映画」が2冊置いてありました。昭和40年発行の三田明特集号と昭和41年発行の西郷輝彦特集号。西郷輝彦特集号の裏表紙には、ジェームズ・ボンドの格好をした西郷輝彦がおり、「00 TERU」とタイトルがついていました。古本屋は、地蔵の後ろ姿を目撃したわけではありませんが、これは地蔵の恩返しに違いない、と気づきました。古本屋は、この地蔵からの贈り物で、きっと立派な古書店になろう、と思いました。



げろじぞう。おしまい。
(あほう♂)
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by books_albatross | 2013-05-12 21:46 | あほう♂