彷書月刊

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なにか知りたいときに、はたと読み返せるようにと、しまいこんでいた『彷書月刊』。
2004年以降の号を少し棚に並べました。

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刊行されていたリアルタイムでは、わたしには畏れ多いような、こっそり覗きみるような雑誌でしたが、それは自分の中身がまったく追いついていなかった、目が開かれていなかったからなのだと思う。(いや、いまだって決して追いついているなんて思ってないんですが)

ところで一箱古本市がはじまったのが、わたしたちも古書ほうろうにいた2005年のこと。並べた彷書月刊にも広告を掲載していただいた号が数々ある。みると、編集部さんがお電話をくださったなぁ、とかああ、これはオヨヨくんが忙しい中、デザインしたのだったか、など、なぜか当時のほうろうのFAX電話や帳場風景とともに懐かしく思い出すことあれこれ。
編集長である田村さんは、毎年のように一箱古本市にふらりとお立ち寄りくださっていた。「うちのチビ来てるかな...」なんておっしゃりながら、いつも飄々として、近所のおじさん然とした(すみません。失礼を承知で記憶のままに)ラフな様子だった。
わたしは、これと言って個人的な会話を交わしたことは一度もなかったことを残念に思い返しながらも、出会うとか気づくとかいうことは、いつだってそういうものなのだとも思う。
それでも、とても幸運なことには、古書ほうろうに在籍した最後の年、2009年、「田村七痴庵独演会 第二回」という田村さんのトークの催しの機会があった。聞き手は、こちらもまた、界隈のことでなにか知りたいことがあったとき、字引のようにひもとく雑誌『谷根千』の川原理子さんだった。

「無名の人々の墓をたてるようなもの。」
「ほんとうは無名の人なんていない。無名戦士なんていない。みんな名前がある。」

田村さんが彷書月刊でしてきたこと、古本屋として自分がしていることはなにか、という話題のときだったと思う。
そんな言葉がずっと耳に残っている。
それから、インタビューしていて、話し手の話が止まらなくなっちゃったときにはどうするか、

「インタビュアーの責任として、聞き手として、それはとことん終わるまで聞きます。」

このくだり、話に聞き入る満場のお客さんと田村さん自身も笑っていた。




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今日は、夏の「つちうら古書倶楽部大古本まつり」への参加を前に、現地のつちうら古書倶楽部へご挨拶に訪ねた。
思っていたより近かった、土浦... 広かったです、お店...  どうする、信天翁... 
慣れない早起き頭に軽いパンチを受けながらも、れんが堂書店の佐々木さんほかみなさんと、近くのインドカレー屋で昼食をとり、帰りは常設で出店中の立石書店の岡島さん、丸三文庫の藤原さんに車で店まで送っていただいた。途中の牛久沼の景色や、道の駅しょうなんへの寄り道、車中での、岡島さん、藤原さんとの会話(古本業のあれやこれや、それとはなんの関係もない日常のあれやこれや、どうでもいい情報etc...)を楽しみながら帰ってきた。
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メモ:谷津遊園 「だって、としまえんとか読売ランド、遠いもん」 
   立石、葛飾文化圏の子どもは京成線でくだって千葉で遊ぶ。






彷書月刊2010年8月号では、「ぼくの書サイ徘徊録」を連載していた南陀楼綾繁さんが、「一箱以降」の古本屋たちと題した内容で、同時期に開店した「石英書房」「古書赤いドリル」「ジャングル・ブックス」と並んで、信天翁のことを紹介してくださっている。オープンまもない頃、ナンダロウさんから記事にするためのアンケートのようないくつかの設問を渡された。そのなかに「プロの古本屋とは?」という問いがあって、たしか「わからない。それで食べて行ける古本屋がプロ。そうなったら答える。」というような回答をわたしはしたのだった。今もまだ答えられないでいる。

それから休刊号となった2010年10月号では、岡崎武志さんが「均一小僧気まぐれ古書店紀行」の最終回を飾る書店として、三河島の「稲垣書店」をたずねているのですが、取材を終えて店を出るとき、稲垣書店の中山さんから「岡崎さん、日暮里にできた新しい古本屋、知ってる?信天翁っていうんだけどさ。大学の後輩が始めた店なんで、行ってあげて」(「」内、掲載記事より)と声をかけられ、急遽信天翁に足を運んでくださったことを書かれている。あのとき、100均棚のない信天翁で、岡崎さんは困ったにちがいない。掟破りで『熊田千佳暮展』カタログと、キャロリン・キャサディの『ハートビート』を買って行ってくださったのだ。そのことも書いてくださっている。
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古書信天翁は、なんと人に恵まれた出帆だったのでしょうね。
この6月でなんとか4年目を迎えました。
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by books_albatross | 2013-06-03 18:15 | 入荷商品ご案内